NO.13冬季号 2002年12月1日発行

クリンテート発売20周年を迎えて三善加工株式会社
代表取締役社長 北村 周治

北村社長北村社長 1982年に クリンテート上市以来、本年20周年を迎えることが出来ました。ご関係者のご支援とご愛用頂きました農家の皆様のお陰で、品質改良を積み重ね、今目のクリンテートに仕上げることが出来ました。この間のご愛顧に厚くお礼申し上げます。クリンテートの登場によって、ハウス市場には大きな変革が起こりつつあります。クリンテートの特性を生かした新しい施設方式の開発と相侯って、施設園芸の拡大発展に大いに寄与してまいりました。 たとえば、寒さに強く破れないことは、北海道などの寒冷地での施設栽培に適しているので、クリンテートの使用域が一挙に広がりました。 農ビに比べて、約30%も軽いクリンテートは、取扱いやすさにおいて、農業従事者の高齢化にも対応できます。

フィルムに孔をあけて傷をつけると、強風にあおられて傷の破れが広がる農ビでは、とうてい孔をあけることはできませんが、クリンテートではカーテンに、小口径の孔を開けても破れることはありません。クリンテート透水カーテンは、ハウス内の温度を低下させる資材として、広く愛用されています。

一定強度で展張すると徐々に伸びつづける性質をクリープ性といいますが、クリンテートの低いクリープ性を生かして、バンドのいらないバンドレスハウスを実用化いたしました。ハウス内は、黒いバンドによる影がないので明るく、また、バンドによるしわがないので、しわからの水滴落下がなく、流滴性に優れたハウスとなります。

「新しい酒には、新しい皮嚢を」といわれます。新しいハウス被覆資材クリンテートには、新しいハウスこそがふさわしいといえます。バンドのないハウスなんて風でやられるとの非難に屈せず、バンドレスハウスがここまでの普及を成し遂げ、新しい農POの時代を築き上げたことは、永く施設栽培の歴史に残るに違いないと自負しております。

冬期の保温を目的としたのが、ハウス栽培でありますが、ハウスを一年間通して使いたいという周年栽培への要求が強まっています。春先の急激な温度上昇による葉焼けや夏の強い日射による生育不良は、ハウスの周年栽培を妨げていましたが、適度な光散乱性能により、強い日射をやわらげるハウス資材として、クリンテートが使用され、周年栽培用としてその実績を挙げています。

クリンテートの数々の特徴は、普及の推進力となって、なお伸びつつありますが、住化プラステックの永年の開発努力が稔って、クリンテート発売20周年を記念した新製品を投入することが出来ました。従来のクリンテートをはるかに超える品質と価格競争力をもつ新製品であり、特別な、超越したという意味を持つ「エクストラ」と名づけました。

エクストラは、プラストマーという業界初の材料を用いています。プラストマーは、プラスチックスとゴム(エラストマー)を掛け合わせて生まれた柔らかくて、強靱で透明性にも優れる超級の新材料です。このプラストマー中に、保温性を示す新規な超微粉体を許容量一杯にちりばめても、なお、透明性を発現させることに成功した特許製品です。透明な合成皮革とも呼べるもので、ハウスバンド耐久性にも優れると期待されます。さらに、硫黄系に対しても、優れた耐久性を示す特殊配合が採用され、耐用年限が長いので、使用1年当りの価格において、圧倒的な競争力を有しています。

現在、農PO市場は、激烈な競争下にありますが、クリンテート20周年を記念した新製品 「エクストラ」の上市を機に、全杜をあげてクリンテートの普及に努めて参りますので、クリンテートのご愛用者の皆様におかれましては、今一度、クリンテートヘのご理解を深めて頂き、絶大なるご支援を賜りますようお願い申し上げます。

がんばる!クリンテート家族
高品質トマト栽培をマーキュリー・グローマスター・梨地フィルムの組み合せで実現山梨県中巨摩郡若早藤田(JA巨摩野)
河西 正廣 さん

3年前になりますが、私は永年勤めた経済連を退職し、今は一農家としてトマトのロックウール栽培をしています。
トマト作りを始めるにあたってこの栽培方法にしようと決めたのは、経済連在職時代にしぱらく県のロックウール研究会の事務局を担当したことで栽培に関するいろいろな知識が蓄積できたことと、地元にも仲間がたくさんいてお互いに切硅琢磨できるということがあったからです。
生育中のトマトと河西さんご夫妻生育中のトマトと河西さんご夫妻栽培面積は1,800㎡で春と秋の2期作、労働力は家内と私の二人ですが、私は、楽しく農業をやる、高品質な農産物を消費者に届ける、ということをモットーにしています。
ロックウール栽培仲間との情報交換はもちろんですが、高畝ベンチを導入して労力の軽減を図ったり、圃場の前にトマトの自動販売機を設置して消費者の生の声を聞いたりと、自分が考えていることが一歩でも前進するよう、いろいろ工夫しながら取組んでいるところです。
ハウスは7連棟ですが、設置当初から外張・カーテンともクリンテートを使っています。外張りには軽くて長期展張ができ、廃プラの排出抑制にもなるということでマーキュリーを張っています。

古川さんは、JA茨城旭村の前イチゴ部会長で活躍されましたが、良品質のイチゴづくりに熱意をもって取り組んでおられます。
カーテンは梨地とグローマスターの2重カーテンですが、梨地は散乱光により光が葉裏まで満遍なく行きわたり作物の成育に良いということと、高温障害を防止できるということに着目し使用しています。
また、 グローマスターは近紫外線をカットすることで害虫忌避効果があり、農薬の使用量を減らせて環境にもやさしいということから使っていますが、いずれもほぼ期待した効果が出ているのでまずは満足しています。
トマトの品質面ではおかげさまで高い評価をいただいていますが、これも栽培面での努力が実を結んだことと被覆資材のおかげかな、などと思ったりもしています。これからも消費者に喜ばれるトマト作りに精を出していきたいと思っています。
また、今度マーキュリーよりも強いエクストラという新しいフィルムが発売されるとのことですが、今以上に長期展張できることで少しでも生産資材費用の低減に繋がることを期待しています。

がんばる!クリンテート家族
0.1mm厚マーキュリーで冬春ナスづくり福岡県黒木町(JAふくおか八女)
井手 博人 さん

黒木町は福岡県の南部に位置し、夏は観光百選となった日向神渓谷をへて、矢部村から大分県へ通じ、南は奥八女の豊かな森林を生かしたリゾート・ゾーン「グリーンピア八女」を背に熊本県と境し、西は電照菊で有名な八女市、北は八女茶の産地である星野村と接した人口15,000人、面積135k㎡のやすらぎの町です。
ナスを背景に井手さんご夫妻ナスを背景に井手さんご夫妻私はナスを作り始めて30年になります。ハウスは全て鉄骨で、冬春ナス740坪、雨除けナス300坪を所有し、現在は家内と二人で収穫に忙しい毎目です。
5年前からクリンテートを展張し、平成13年からはマーキュリーを試験的に使ってみたところ、以前の防塵農ビに比べ風に対する強度が強くとても気に入りました。
今年度8月からは、間口8m8連棟、6m4連棟の全てのハウスにマーキュリーを展張しました。0.1mmのフィルムを張りっぱなしで3年間使いたいというのが私の希望です。

昨年1年間使ってみての感想は、風の強い場所に展張してもとにかく破れにくく、破れて穴が開いてもそこからの広がらない為、シーズンを通して安心して使えるということです。
私自身の体験から、今後は部会にもマーキュリーを勧めていきたいと考えています。三善さんの新商品であるエクストラにも大いに期待を寄せております。
井手さんは、JAふくおか八女黒木支部茄子部会長をされていますが、他にJA全農ふくれんなす副部会長、JAふくおか八女なす副部会長の要職につかれ活躍されています。

紫外線カット、梨地フィルムで軟弱野菜栽培テストを実施神奈川県農業総合研究所生産技術部の衣巻さんのご協力を得て、クリンテートDXと紫外線カットのグローマスターと梨地フィルムを提供させていただき、パイプハウスでの軟弱野菜栽培(コマツナ、ホウレンソウ栽培)における省エネルギー・省資源型施設栽培を確立するための試験研究していただきました。

このたび、試験研究成績発表がありましたので、その一部を掲載させていただきます。

1.試験目的機能性農PO導入による軟弱野菜の生産(収量・品質)向上と環境負荷の軽減であり、冬期の保温性向上と夏期の昇温防止・光環境改善による増収を狙いとしています。

2.試験区の構成温室内熱環境改善フィルムハウスとして、クリンテート紫外線カットフィルムのグローマスターを外張り、梨地フィルムを傾斜張りカーテンとして使用したハウスの有効性をクリンテートDXや農ビハウスとの生育比較を試みたものです。ハウスの大きさは、間口4.5m、奥行き12mの54㎡です。

3.耕種概要ホウレンソウ「アクティブ」コマツナ「楽天」を7/9、8/5、9/4に播種し、作物の生育、収量、品質、ハウス内温度変化(地表面から1mの高さで計測)、地温(地下5cm)を計測、調査したものです。
栽培方法は、8条、条間は15cmで、遮光は遮光率45%のネットで、7/9から9/20まで内部遮光した。

4.結果概要7~9月の夏期のホウレンソウ栽培では、改善ハウスが生育、収量が安定していた。コマツナでは、一定の結果が見られなかつたが、改善ハウス、農ビハウスの生育、収量は安定していた。なお、試験内容を載せていないが、11/9まきの場合はクリンテートDX展張ハウスが良く、改善ハウスと農ビハウスは、ほぼ同等の収量であった。

5.主なデータ7月9日は種ホウレンソウ生育調査結果(8月7日調査)7月9日は種ホウレンソウ生育調査結果(8月7日調査)

8月5日は種ホウレンソウ生育調査結果(9月12日調査)8月5日は種ホウレンソウ生育調査結果(9月12日調査)

9月4日は種ホウレンソウ生育調査結果(10月7日調査)9月4日は種ホウレンソウ生育調査結果(10月7日調査)

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