NO.15夏季号 2003年6月1日発行

農POと作物づくり-北海道における施設栽培と「農PO」(2)-元北海道立花・野菜技術センター
特別研究員 土肥 紘

北海道の施設栽培と「農PO」への期待北海道の施設栽培は、(別図)に示しましたように夏を中心としたものです。

JA平取町のイチゴハウス栽培JA平取町のイチゴハウス栽培 葉根菜類や花もほぼ同様です。北海道の施設は、端境期の生産というより、「旬」の時期の拡大のために活用されていると心得ております。 府県の施設が大型化・連棟型方向であるのに対して、本道の施設は間口5~6mの地中押し込み型パイプハウスで、積雪対応もあり単棟指向であることも含めて施設に期待する性能に違いがあります。 その期待される性能の殆どが、「農PO」の持つ特性に合致するものになります。まさに、「農PO」は北海道のような寒地・寒冷地向きに開発されたハウスフィルムと云えましょう。

夏中心の施設北国といえども、7~8月は高温対応が必要になります。「農PO」の光透過で拡散光割合が多いことは、葉面などの作物体温の急激な上昇を抑えて高温障害を緩和することが期待されます。また、軽い・粘着しない・伸縮が少ないことから、側窓部の巻き上げ換気が容易で安定し換気効率を高めることができます。今後、簡易な天井部の巻き込み開閉装置の開発・普及が望まれます。一般に「農ビ」に劣ると云われている保温性も、(別図)のような作期であれぱ改良が進んでいる「農PO」専用の部材を用いて隙間を作らない、また重ね合せ部を考慮した展張方法を工夫することで問題ないものにできます。

省カ・省資源の施設諸情勢を背景に、今後とも目常的な管理の省力化・軽作業化と長期展張に耐える被覆資材が求められます。前者には、軽い・粘着しない・伸縮が少ないことが展張時の作業や日常的な換気管理を容易にします。後者には、伸縮が少ない・傷が拡がりにくいことで風に強い・バンドレス展張ができ、さらに低温で硬化しにくい・汚れにくいことで、極寒期を経る北海道でも、また年々増える傾向にある春先の黄砂の汚れ被害も少なくし、通年展張を可能にします。広幅加工ができることも継目部分の汚れを少なくし、防曇剤の塗布加工技術も長期展張に貢献するものになります。

クリーン生産の施設

JA平取町のトマトハウス栽培JA平取町のトマトハウス栽培 グローマスター」に代表される近紫外光選択透過(紫外線カット等)や反射などの機能性フィルムによる被覆やマルチによって、病害虫被害軽減のための ①主因(病害虫の存在)を減じ、
②誘因(病害虫が活動し易い環境)を抑え、
③素因(作物が弱い)を改善することで、総合的な病害虫管理(IPM)あるいは作物管理(ICM)
を進められ、クリーン農業生産に大きく貢献できましょう。さらに充実を図り多様な機能性を持つ資材の開発と効果実証を進められることを願います。

がんばる!クリンテート家族
グローマスターと梨地でトルコキキョウ作り長野県上田市(JA信州うえだ)
長谷川 尚貴 さん

クリンテートとの出会いは、9年前にバンドレスハウスを取り入れて以来です。その後、JA信州うえだの花き部で2度にわたり三善加工千葉工場を視察し、フィルム加工の現場を理解させていただきました。
トルコキキョウを作っていますが、高温障害対策には寒冷紗等を使っていました。しかし光も遮る事になり花の色が綺麗に出ない事が多く、別な方法はないだろうかと思案していました。
そこに三善加工の石川さんより内張りにクリンテートグローマスターを使ってみたらと提案がありました。
トルコキキョウ作りハウスを背景に長谷川尚貴さんと義孝さん親子トルコキキョウ作りハウスを背景に
長谷川尚貴さんと義孝さん親子
紫外線カットフィルムでは紫色の発色が抑制されるので難しいのではと思いつつ試験的に使用してみましたが、結果は大変良好でした。
内張りにグローマスターを使用する事により夏場の遮光資材を使用せずに十分に太陽光を浴び且つ高温になる事もなく徒長せずに品質の良いトルコキキョウが育ちました。また夏の暑い日にハウスに入っても肌に当たる太陽光は柔らかく作業も大変楽になりました。
紫外線カットフィルムを使用すると紫の発色が抑えられるためにトルコキキョウには不向きと思っていましたが、ハウスの内張りに使用することでサイドからの紫外線により発色には影響がありませんでした。

そして今年は 梨地フィルムを使用してトルコキキョウ作りに挑戦します。紫外線カット効果は時間とともに減少していきます。そこで梨地フィルムの遮熱効果を利用してみようと考えております。
マスター使用ハウスと梨地使用ハウスでは、梨地ハウスの方がやや生育が遅い様であるが非常に良い苗となっています。ハウス内の日差しの感じはグローマスターと同じ様でありトルコキキョウの生育が楽しみです。
そしてこの2つの効果(紫外線カットと梨地)を相乗するとよりよい環境を作り出すことが出来るのではないかと思います。
これからも私ども生産者への新たな提案に期待しています。

がんばる!クリンテート家族
クリンテートDXを利用したイチジクとイチゴ栽培愛知県安城市(JAあいち中央)
中山 章男 さん

JAあいち中央の指導購買部営農資材担当の神谷昌史さんにお話をお伺いして、イチジク部会でご活躍の中山章男さんの栽培事例をご紹介いただきました。
JAあいち中央は、愛知県の中央に位置し、安城市、碧南市、刈谷市、知立市、高浜市の5JAが平成8年に合併してできた大型JAです。このJAで、イチジク、イチゴを生産されている中山章男さんをご紹介します。
高設いちご栽培ハウス内の中山さん高設いちご栽培ハウス内の中山さん安城市を含む西三河地区は、イチジク、イチゴ等の果樹産地です。中山さんは、昭和58年よりイチゴハウス栽培を始められ、昭和62年にイチジクのハウス栽培も始められました。
クリンテートは昭和60年より使用され、現在、外張りはすべてDXを使用していただいております。
クリンテート導入のきっかけは、軽く破れにくく、またバンドレスにすることで、展張作業が楽である、等の理由からでした。

イチジクハウス内の中山さんイチジクハウス内の中山さんクリンテート使用当初は、霧がでた、保温性が低かった等の間題もあったが、現在のDXは、保温性、透明性に優れ、ハウスがすっきりし、大変満足されているとの事です。
イチジク、イチゴとも皆さんご存じのように、色付きが大変重要な作物で、色付には紫外線が必要となります。特に、イチジクは、葉が大きく茂り、葉影になりやすいのですが、クリンテートは、紫外線が散乱光で入ってくるため、色付のよい、高品質な果実となるそうです。
最近この地区ではイチゴハウスに高設栽培が増えてきておりDXの使用農家が多くなっています。イチジクは温度が必要な作物であり、DXの保温性で省エネとなり、紫外線と散乱光で品質アップとなりましたので、DXは大活躍だよと話されています。

これからも、JAあいち中央は、イチジク、イチゴ、そして他の作物にも、クリンテートを推進しようと思っています。

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