NO.35夏季号 2008年7月1日発行

全農安心システムの利用と消費者の信頼確保 II
-生産者と消費者をつなぐ情報の連携とは-
JA全農農畜産物検査認証事務局

前号では、1.全農安心システムとは、2.全農安心システムの認証状況、3.全農安心システムにおける検査とは、について掲載しました。ここでは、前号に続き掲載しますが、今号で初めて読まれる方のために前号の要点を少し記述します。

1.全農安全システムとはJA全農グループでは、産地と消費者を信頼で結ぶ仕組みづくりとして、平成12年度より「全農安心システム」の導入を進めています。

図1 全農安心システムの仕組み(青果物)図1 全農安心システムの仕組み(青果物) 全農安心システムは、「誰が、どこで、どのように作ったのか」がわかるように、商品と情報を消費者にお届けする仕組みです。また、「検査・認証」制度を導入することで、これらの情報の正確性を客観的に評価し、情報の発信と履歴の遡及ができる体制を実現することで、消費者の安心に繋げることをねらいとしています。 実際には、JA全農グループが提供する農畜産物について、産地と取引先との結びつきの中で生産基準の合意をはかり、その内容に沿って工程管理や情報管理を行います。さらに、その工程管理や情報管理の体制について、第三者が検査と審査を行い、その報告にもとづいて、JA全農が認証します。(図1 青果物の仕組み)

2.全農安心システムの認証状況平成20年3月末時点で認証を取得している生産グループおよび施設の件数は、産地が191件で、関連加工場が79件で、合計270件となっています。

3.全農安心システムにおける検査とは全農安心システムにおける検査は、

  1. 取引先と合意した生産基準があり、生産者に徹底され、実施できる体制があるか
  2. 生産工程や集出荷の記録が記帳されているか
  3. 各工程の責任者が明確で、危機管理や内部監査の体制があるか
  4. 全農安心システム商品と他の商品がきちんと分別管理されているか
  5. これら一連の情報が保管され、追跡することができるか

を確認するために実施します。

具体的には、産地(JA)からの申請に基づいてJA全農(農畜産物検査認証事務局)が外部検査員を派遣し、検査と確認を行ないます。この検査内容を、JA全農が委託している審査機関で審査され、審査機関からの認証推薦の判定が得られて初めてJA全農が認証書を発行します。

4.「生産履歴記帳運動」と連携した取組み全農安心システムで対象となる生産グループは、通常、JA内で組織されている生産部会が主体になります。情報の信頼性を高めるために、各生産者が作業内容を栽培日誌に記載し、JAがその内容を集荷前に点検し、取引先と合意した基準に合致しているか確認することが大切です。

こうした体制をつくることで、仮に基準に逸脱する収穫物があったとしても、集出荷の段階で対象から除外することが可能になります。

また、平成18年5月29日からポジティブリスト制が施行され、農薬のドリフト(飛散)対策が課題となっています。全農安心システムでは、「記帳を中心とした活動記録を残すことにより、適正に農薬使用をしたことを証明」することが、工程管理による信頼性の確保として効果的であると考えます。そのため、従来の生産履歴記帳運動に加えて、近隣作物の見取図、種類等を記載した圃場台帳の整備、各生産者が実施したドリフト対策をチェックする「適正防除に関する生産者自己点検シート」の記帳も合わせて進めています。

各地で生産履歴記帳運動が展開されていることは周知のとおりですが、これらの記帳は産地の信頼性を高めることは勿論、その産地において、次作の営農活動に積極的に活用されるべきものであると考えます。

5.生産ロットと情報管理の考え方全農安心システムの場合、複数人の生産グループ(部会)が対象になります。

情報管理の面では、個人選別はともかく、共選場において共同作業で選別される場合は、一部品目を除いて個人管理は現実的に不可能であるため、各生産者の収穫物が、同一の生産基準(栽培暦)やグループ内で認知された生産資材をもとに栽培されたものであれば、これらを一つのロットとして扱うことを基本としています。従って、全農安心システム対象者の収穫物のみが選別段階で混在することを前提に、収穫物の個別管理は求めません。

つまりJAが受入れの前段で、栽培日誌の内容を確認し、取引先と合意した基準に合致しない(または、対象とならない)収穫物を区分できることが必要です。

産地では、JAが中心となって栽培日誌、防除日誌および集出荷記録などの情報を管理しています。これらの情報は日々、生産者単位で詳細に蓄積され、取引先の求めに応じて迅速に開示すべきもので、また、クレーム等の問題が発生した際には、その原因究明のための資料ともなります。この様に、全農安心システムでは、「いつでも問合せに応じられる情報管理体制」が重要な要件であり、それがトレーサビリティの根本でもあると考えます。

6.情報開示の考え方情報をすべて日常的に消費者に提供することだけが情報開示だとは考えません。

ホームページによる情報開示では、産地の詳細なデータを掲示するのではなく、その農畜産物に関する「一般情報」の提供に主眼を置いています。具体的には、「産地概要」、「生産者リスト」、「栽培基準(栽培暦)」、「栽培記録(栽培日誌の一例)」、「農産物の作り方」等です。

中でも消費者にその産地を知ってもらい、また栽培環境を理解してもらうことが大切で、その意味で「農産物の作り方」の紹介は重要と考えます。

しかしこのことは、農産物の情報開示の難しさと密接に関連します。可能な限り環境負荷の少ない農業を目指すものの、現行の栽培技術においては、各産地の気象風土に応じて品質や収量確保の面で一定量の農薬散布は不可欠であり、こうした実態をいかに明確に分かりやすく説明することが何よりも必要と思われます。

7.最後にこの取組みは決して最初から有利販売を目的としたものではなく、全農安心システムを通じて販売先を明確に結びつけ、消費者に「商品」とともに「安心」をお届けすることにより、継続的に売場を確保し、安定取引に繋げることを狙いとしています。

したがって、参画する生産者の方々にこの点の理解が得られるかどうかが、取組みの成否を握ると言っても過言ではありません。また、この取組みは、単なる産地情報の発信に留まらず、消費者との相互交流を目指し、相互の信頼関係の構築をはかっていくものです。

全農安心システムは、取組み8年目を迎え、認証品目も多岐に渡ってきましたが、まだまだ数量的には少なく、消費者の十分な認知を得るまでには至っていません。今後もさらに品目・取引先拡大を目指し、売場での販売促進や情報提供を強化しながら、消費者のさらなる信頼確保をはかっていきます。この取組みが、産地の振興の一役となることを期待します。

がんばる!クリンテート家族
『クリンテートエクストラ』でコストダウン環境にも配慮した、ミニトマト作り静岡県 菊川市(JA遠州夢咲)
山田 義行 さん

JA遠州夢咲のある旧小笠郡5町は、静岡県でも有数の茶処で、またレタスを中心とした野菜の栽培やイチゴ、メロン、トマトなどの施設園芸も盛んな地域です。
トマトハウスでの山田さんトマトハウスでの山田さん今回はそのJA遠州夢咲管内でミニトマト栽培を営まれている山田義行さんを紹介します。
山田さんはまだ農ビが主流であった20数年も前に農POフィルムの"軽くて強い"という特性に興味を持たれ、それをきっかけにクリンテートを導入されたそうです。
ノーバンドで使用できるので当時から農POの擦れに弱いという弱点にはあまり 気にせず、まずは農ビより軽い事が気に入ったそうです。その為、なんと、風の無い早朝にひとりで張り替えしてしまう事もあるそうです。
また張替えサイクルも延びてコストダウンが図れたとの事。昨今の燃料費高騰に頭を抱える中、高保温で長期展張タイプのクリンテートエクストラを使うことで、更なるコストダウンに努め、廃プラの排出量を削減する事で環境にも配慮していきたい、との事でした。

現在、山田さんは大型の屋根型ハウス4棟を中心にクリンテートエクストラの厚み0.13mmを展張され、奥さんと数名のパートさんを入れて収穫に忙しい毎日を送っておられます。勿論、農POの特性である散乱光とクリンテートの紫外線透過性の高さから、ミニトマトの色付きも味も最高とのこと。
作業場には収穫したばかりの真っ赤なミニトマトで溢れていました。
出荷先は主に首都圏との事ですが、口コミで山田さんのハウスを訪れる方もいらっしゃるそうです。私もその内のひとりです。
(静岡県営業担当 鈴木記) 

クリンちゃんの豆知識

今回は「道の駅」と直売所のお話です。
国土交通省により登録された「道の駅」とは、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の人々のための「情報発信機能」、「地域の連携機能」を併せ持つと定義されています。国や県が基本的な施設である駐車場やトイレを整備し、市町村、またはそれに代わり得る公的な団体(ほとんどは第三セクター)が地域側施設を設置する形が取られています。
1993年から登録がスタートして毎年増え続け、2007年8月時点でその数は868件にもなっています。その急成長の理由は、単なる休憩所を超えた魅力が評判を呼び、利用者の拡大やリピーターを生み出すことで地域の活性化に有効であることが認められたからでしょう。
「道の駅」といえば農産物の直売所が欠かせません。利用者にとっての楽しみのひとつは、その土地ならではの「食」を見つけることです。評判を聞いて遠くからわざわざ買いに来る人や、農産物の旬に合わせて季節ごとにやってくるリピーターもたくさんいます。
直売所では、地域の農家さんが採れたての新鮮な野菜を自分で商品棚に並べている姿をよく見かけます。並べられた野菜の中には、スーパーでは見ることのない規格ハズレの大きさや形のものもあります。でもそれが自然の、野菜本来の姿なのだと改めて気付かされます。
市場流通と比べて価格もお手ごろで、買う人にも、売る人にも、うれしいしくみができています。ただし、直売所のしくみが成り立つのは、小規模地域だけの限界があります。その地域サイズと「道の駅」のエリアがぴったり一致しているわけです。
そうして直売所と「道の駅」は、「地産地消」「スローフード」「安全・安心」にこだわる利用者の人気を集めて、これからも重要な役目を担って発展していくことでしょう。

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