NO.42春季号 2010年4月1日発行

次世代型生産システム「トマト一段密植養液栽培システム」の紹介 JA全農 営農・技術センター
農産物商品開発室

JA全農 営農・技術センター農産物商品開発室では、生産物の収量増加や品質向上をはかり、安定出荷を可能とするトマト栽培技術として、トマト一段密植養液栽培システムの研究開発を行っています。大きな技術ポイントは栽培管理の簡易・単純化であり、効率的労務管理の面から、大規模化を想定した企業的経営に適しています。また、施設内複合環境制御システムと組合せた太陽光利用型植物工場として広く注目されています。ここでは、トマト一段密植養液栽培システムの技術概要と今後の展開について紹介します。

一段密植栽培とは一段密植栽培とは一段密植栽培では10aあたりの栽植密度を10,000株(慣行の3~5倍)、1株の花房を1段のみとし、年間4回以上の作付けを行います。また、収穫花房が1段のみとなり、草丈が低くなるため、栽培ベッドを高設化します。

一段密植栽培のポイント

  1. 花房1段で摘心する
  2. 10aあたり10,000株の苗を定植する
  3. 年間4回の作付けを行う
  4. ベッドの高設化が可能となる

技術の優位性(1)栽培管理の単純化定植~収穫までの一連の作業が単純化され、栽培管理に特別な技能を必要としません。このため、マニュアルによる効率的な栽培管理を行うことができます。また、閉鎖型苗生産システム「苗テラス」を活用することで、育苗管理が大幅に軽減され、施設を1年間有効活用できます。

(2)作業の軽労化一段密植栽培とは栽培ベッドの高設化によって腰を曲げたりするような重作業が無くなり、目の高さで栽培管理を行うことができます。また、草丈が低くなるため、茎を曲げたりするような難しい誘引・整枝が不要になります。

(3)計画生産年間4回の高回転作付けと10aあたり10,000株の超密植により、慣行栽培よりも高い収量(年間30t/10a以上)をあげることができます。また、1作あたりの栽培期間が80~90日となることから販売と連動した計画的な生産を可能とします。

(4)病害虫発生の軽減1作あたりの栽培期間が80~90日で終了するため、病害虫の発生が大幅に軽減します。また、0.2mmの防虫ネットの使用や下屋(一次室)の設置などによって病害虫の侵入を減らし、栽培期間中の極めて高いレベルの減農薬栽培も可能となります。

(5)局所環境制御技術による差別化収穫花房を一段に限定するため、栄養生長と生殖生長のように生育ステージが明確に分けることができるため、CO2施用や根域温度の制御を効率的に行うことが可能となります。

(6)簡易型養液栽培技術の活用これまでトマト栽培ではあまり活用されなかったNFT(Nutrient Film Technique)を用いることができます。NFTは養液栽培技術の中でも、最も簡易的で低コストな技術として知られています。現在はオリジナル栽培槽を開発し、NFT方式を改良した養液栽培技術を用いております。

(7)通常のハウス使用による初期投資の抑制一段密植栽培はオランダ式の長期多段栽培と異なり、高軒高温室を必要としないため、通常ハウスで栽培を行うことができます。これによって、初期投資は大幅に軽減され、経営リスクを下げることができます。

今後の展開現在、試験研究としては栽培適性および商品性のある品種の開発ならびに選定を行っております。具体的には、(独)農研機構 東北農業研究センターと共同で低段密植・養液栽培向け心止まり性トマトの開発を進めるとともに、既存品種の中から、良食味等の市場性の高い好適品種の選定を進めています。

今後、これらの品種を用いた新規市場を開拓し、生産と販売が直結する仕組みづくりを行い、来年度以降に本格的な普及展開をはかりたいと考えております。

がんばる!クリンテート家族
クリンテートで高品質な巨峰を栽培福岡県広川町(JAふくおか八女)
野中 龍博様

今回ご紹介させて頂く野中龍博様が巨峰を栽培されている広川町は、福岡県南部八女郡の北部に位置し、東西約14km、南北5.4kmの地域を占め、面積は約38k㎡の町です。
東は上陽町、南は長峰山脈をもって八女市、西は筑後市、北は久留米市に接する耳納山系に囲まれた通称広川谷と呼ばれる広川盆地を形成している地域です。比較的温暖な気候で、発心山に源を発し、筑後川に注ぐ広川が東から流れ、その流域に細長い盆地性の平野をつくっています。
JAふくおか八女管内のぶどうの作付面積は約280ha有り、その内、広川地区センター管内で47haのぶどうが作付けされています。また、部会員数は最も多い時で300人を超えた事もありましたが、現在では102人の方がぶどうの生産に尽力されています。
ハウス内でハイポーズの野中さんとJA坂田さんハウス内でハイポーズの野中さんとJA坂田さん野中様は、今年で約35年間広川ダム近郊において巨峰を約1.4ha栽培されています。栽培当初は農ビを使用しておられましたが、クリンテート発売当初にJA渉外担当者の方とサンテーラ(旧 三善加工)営業担当者の同行推進の際に聞いた「農ビより軽い」「ベタツキが少ない」「裂けても広がりにくい」などの商品説明がクリンテート購入のきっかけとなり、農ビから切り替えられたとの事でそれ以来、二十数年の間、弊社商品のクリンテートを継続してご愛用頂いています。
その間には、同業他社の商品提案も多数あったそうですが、長年ご愛顧いただいた経験により「クリンテートは作物の生育性が良く、安心して使用できるので切り替えは考えなかった」というご意見を頂きました。

また、現在栽培中のぶどうハウスでは、外張りに保温性の高いクリンテートDX、内張りには霧抑制のクリンテートU-FOを12月から翌年8月まで展張されていますが、保温性、霧抑制に加え耐久性に関しても、大変満足しているとの事でした。
クリンテートを製造・販売してきた弊社としてまして、今後も安心して使用いただける高品質な商品とサービスを提供させていただき、生産者農家様の負託に応えていきたいと強く感じました。
最後になりますが、ご多忙中にもかかわらず取材に御協力頂きました野中様と取材に同行して頂いたJAふくおか八女・広川地区センター営農経済渉外の坂田様には大変お世話になりました。今後も野中様のぶどう栽培の益々のご発展を心より御祈念申し上げます。
(福岡県営業担当 桑原)

がんばる!クリンテート家族
クリンテートDX、透水カーテンの併用による良質な梨を栽培栃木県芳賀郡(JAはが野)
田口 敏郎さん

栃木県芳賀郡芳賀町は、栃木県の南東部に位置する総面積70平方キロメートルの町で、果樹や野菜類をはじめ、施設園芸、畜産などの都市近郊型農業が盛んです。イチゴのブランド「とちおとめ」は全国的にも知られていますが、その他にも幸水、豊水、にっこりなどの梨は町を代表する特産品として県内有数の生産地となっています。
JAはが野梨部会は、部会員140名、作付面積は約160haで、年間を通した長期に渡る販売戦略やGAP(生産履歴管理)の活用など、昨年のJA集荷場扱い量は10kg/箱で33万ケースを出荷しています。
今回は、社団法人とちぎマーケティング協会の果樹部会長と、JAはがの梨部会で部会長を兼務されている、梨作り37年の田口さんをお訪ねし、お話を伺いました。
ハウス前にて田口さん(右)とJAはが野アグリセンター芳賀の赤羽さんハウス前にて田口さん(右)と
JAはが野アグリセンター芳賀の赤羽さん
田口さんと奥様、息子の敬久さん夫婦の4人で2.5haを露地、1haをハウスで栽培しており、田口家の栽培暦は昭和33年頃から始め約50年になります。12年前からハウス栽培に取り組み、農協さんとグリーンとちぎさんからクリンテートを勧められ6年前からDX(デラックス)を使用しています。
優れている点は、まず第一に作業性が非常に良いということ。第二に長期に渡り展張しても汚れにくいこと。でこのことが労務費や資材経費節減に繋がっているとのことでした。
また、当初二重カーテン用フィルムには孔の開いたものが無く、自分で孔を開けていた為手間がかかっていましたが、現在では透水加工がされたクリンテート透水を使用し、カーテン上部の水溜りが出来ず、余分な湿気を少なくし病気の発生を防ぐことができ便利になったとお褒めの言葉をいただきました。

今後も益々良いフィルムを研究、開発し、私たち生産者に安くて良い資材を提供して貰いたいと要望をいただきました。
最後に、栽培の傍ら、お忙しい中取材に応じていただきました田口様のこれからの益々のご活躍をお祈り申し上げます。
(栃木県営業担当 鈴木)

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