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耐候性農POは、通常のプラスチック製品と異なり、年単位で雨風や太陽にさらされた(屋外暴露)状態で使用されることから、何も工夫がないと、僅かの期間で劣化してボロボロに破れてしまいます。
そのため、フィルムには大きく2種類の劣化防止の工夫がなされています。

(1)紫外線吸収剤フィルムに少量の紫外線吸収剤を添加して太陽光に含まれる紫外線がプラスチックの分子を切断し、劣化することを防止します。
また、意図的に紫外線吸収を増やし、完全に透過を遮断した銘柄もあり(UVカット銘柄)ますが、目的が異なりますので別項で説明いたします。

(2)耐酸安定剤施設園芸の中で使用される薬剤の中で酸性成分の物質がフィルムに付着すると、プラスチックの分子を切断し、劣化が早まります。それを防止するための薬剤が添加されています。
多くは、ヒンダードアミン系安定剤(HALS)が用いられています。
これらHALSは原料単価が高価なため、銘柄ごとに種類や添加量を変えて特徴付けや競合品との差別化に使用されることがあります。
また、一部の保温剤はHALSほどではないものの、耐酸効果が得られます。