アスパラガスの遮光を省略 収量アップも 佐賀県鳥栖市 増田様

アスパラガスの遮光を省略 収量アップも 佐賀県鳥栖市 増田様

2019年春芽の様子。2019年春芽の様子。 佐賀県は日本のアスパラガス収穫量 国内第2位。約10%のシェアを占めています(2018年度)。その最東部に位置する鳥栖市で、増田様はハウスアスパラガスをメインに、様々な野菜を栽培しています。ホワイトアスパラガスも栽培していて、鳥栖市内での作付けは増田様だけ。希少価値が高く、地域からも注目されています。おいしく食べて頂くため、鮮度を大切にしているそうです。

"夏場のダメージ軽減"のため、2018年から調光、調光ライトを使用しています。ご感想を伺いました。

夏の暑さ対策の手間を減らしたい -調光に興味を持たれたのはなぜですか?
増田様:夏場のダメージ軽減のためです。これまで、夏は遮光ネットを使って暑さ対策をしていました。
ハウスの天井を調光にすることで、この手間を省略できたらと考えました。ダメージが軽減することで、収量アップの期待もありました。

-夏場の対策は、手間がかかるのですね。
増田様:そうですね。天候を見ながら遮光ネットを張って秋にはまた片付けをしますが、けっこう手間がかかります。
遮光ネットを使用する前は、反射材をフィルムに吹き付けて対策していました。
この場合は片付けが不要ですが、吹き付けた反射材が落ち切らず年々汚れが気になっていました。
こういった手間を減らせるとなれば、楽になりますね。

-逆に、導入にあたり心配事はありましたか?
増田様:夏場のダメージ軽減の反面、光量が減り収量が減少することを心配しました。それに加えて、実際にフィルムの色が白から透明に戻るのかも確認したいと思っていました。

効果を実感!収量も5~10%アップ -実際に使ってみて、どうでしたか?
増田様:親茎の育ち具合から、夏場のダメージ軽減を実感しました。
収量は落ちずにむしろ増収したので、心配していた光量が不足することはなかったと思います。
はじめ調光とは遮光・遮熱するイメージだったので、ハウス内温度が下がるものだと思っていました。
実際には温度が変わらないものの葉焼けが抑えられ、調光(調光ライト)の散乱光は遮光・遮熱とは違う事を体感し、驚きました。

-収量にはどれくらい影響がありましたか?
増田様:5~10%くらい増収しました。夏のダメージが軽減できたために、光合成量が多かったのだと考えています。または、比較した透明フィルムのハウスでは遮光ネットを使っていたので、取り入こんだ光の量が違ったのかもしれません。

調光区 無遮光
佐賀調光
透明区 無遮光
佐賀透明フィルム

2018年、2019年、ともに調光フィルム下では葉焼けの軽減を実感。
天候や管理上、焼けが出てしまうこともありますが、発生の程度に差がありました。
写真は、2018年夏の様子。

これからも使用して、見極めたい -ずばり、調光の評価はいかがでしょうか?
増田様:メリットは、遮光の手間が省略できたことですね。遮光しないので、光合成を邪魔せず葉焼けを減らすことができました。

-デメリットはありましたか?
増田様:厚い調光フィルムは伸びにくく、調光ライトと比べて扱いづらかったことですね。
1棟目には厚み0.15mmの"調光"を使いましたが、展張作業が大変でした。もともと使用していたフィルムが厚み0.10mmだったこともあり、ギャップもありました。2棟目には厚み0.10mmの"調光ライト"を使いました。
夏場のダメージ軽減効果は同様だったので、調光ライトの方が良さそうです。

-今後も調光を使いたいと思われますか?
増田様:フィルムを変えるタイミングがまだ先なのですが、是非検討したいと思います。効果は実感できたので、後は耐久性と費用対効果ですね。効果の持続性と、調光のお値段とのバランスを見極めていきたいと思います。

増田様にご利用いただくきっかけとなったのは、福岡県久留米市のアグリ技研株式会社・吉村代表取締役からのご紹介です。コメントをお寄せいただきました。

「昨今の気象条件の大きな変化に、以前の様な栽培環境では、農作物も対応出来なくなってきている面が多数見受けられます。特に夏場に栽培を迎える作物はいろんな高温障害で品質・収量低下が出て農家収入の減少と対策に伴うコスト増と成ってきています。
今回の調光はこの課題解決の一手段となればと思って試験を行い、結果に結びついたかと思っています、今後も課題解決のためにはこの様な資材は前向きな導入の時期に来たかと思っています。」

サンテーラより
調光の使用により遮光ネットを省略できたことは、石川県のトマト生産者の事例と共通しています。
※栽培作物、産地や求める効果によって、遮光ネットとの併用をおすすめしています。

今回、新型コロナウイルス感染拡大の情勢を鑑みて、リモートで取材を行いました。ご協力いただきました増田様、吉村代表取締役、誠にありがとうございました。

調光つうしん No.18

小松菜の周年栽培で調光の効果を実感!福岡県田川郡 鈴木様

小松菜の周年栽培で調光の効果を実感!福岡県田川郡 鈴木様

福岡県田川郡大任町で小松菜を栽培なさっている鈴木農園の鈴木光輝さんをお訪ねしました。
鈴木さんは10棟のハウス、約30aで小松菜を年間7~8作の周年栽培をなさっており、2017年冬から調光、調光ライトを使用いただいています。

福岡県の小松菜の収穫量は約10,700tであり全国第3位。収穫量全国合計の112,000tのうち約10%のシェアを占めています。(2017年度)
福岡県の中でも、ここ田川地域では小松菜栽培に取り組む若手生産者が増えており、鈴木さんもそんな若手生産者のお一人です。

秋冬は収穫量アップと生育の均一さに満足 昨年度の栽培を振り返り、以下のコメントをいただきました。
  • 「冬作~春作(2017年12月~2018年4月)については、収穫量の増加がみられたことから、非常に満足しました。
    播種12月・収穫2月下旬と播種3月・収穫4月中旬の収穫量の比較をしたところ、調光区は透明区の10%以上のアップとなりました。」

均等に生育した様子均等に生育した様子
「加えて、冬、春の透明フィルムのハウスではハウスの天井の形にあわせて生育が山なりに成長する傾向がありました。(中央部に比較して側面部の生育が遅い)しかし調光を張ったハウスでは、ハウス内部がほぼ均等に生育しました。」

【サンテーラより】
※この事例は、北海道のホウレンソウ生産者の方の事例と共通していました。

「秋作では、調光区は播種から収穫するまでの日数が透明区に比較して短かかったです。調光は生育が早かったと言えますね。」
とのことです。

今年の夏の栽培試験が楽しみです 昨年度の夏作は、西日本集中豪雨の被害があり、栽培が一時期ストップしたことから、評価、比較ができませんでした。
鈴木さんは
「今年は夏作で栽培試験を行いたい」とお考えです。
小松菜は元来は冬の野菜であり、高温期の栽培では葉色も薄くなり、一株重も軽くなる傾向にあります。過度な高温下の栽培は品質の低下につながることから、温度管理が重要になります。調光の活躍が期待されます。

「梅雨明けから播種を行い、約30日で収穫の予定です。調光と透明の比較、それに遮光ネットの有無も加えて比較してみたいです」
とのコメントを頂きました。

また鈴木さんから、小松菜の栽培の特色として
「小松菜は一作あたりの栽培期間が短く、耕うん作業の頻度が高いので、この作業を効率的に行うことが経営を左右します。 また土づくりがとても重要で、たい肥の投入に気を配っています」
とのお話しをお聞きし、とても印象に残りました。

【2020年3月追記】
※2019年の夏に栽培の比較をしていただき、以下の結果コメントをいただきました。
  • 「調光区では、カッピング(葉が丸くなる障害)の症状が発生せず、生育が良好でした。」
  • 「透明区では高温障害が発生し、遮光ネットなしでは栽培できませんでした。」
  • 「一方で調光は、品種を組み合わせすることにより、遮光ネットなしでも栽培が可能と思います。」
調査結果はJA部会で情報共有します JAたがわの小松菜部会では、26名の部会員で約4.3haの栽培を行っています。
鈴木さんは今年から副部長をつとめています。

調光ハウス 調光ハウス

収穫作業が進んでいます。

「夏場の収穫結果を部会の皆さんにお示しする予定です。夏の栽培は部会の皆さんがお困りです。調光は遮光ネットと同一の効果が得られるか、遮光ネットをかけるとしたらどの程度の期間にするか調べてみたい。」

「この結果に品種をどう組み合わせていくか、知りたいことがたくさんあります」
と意気込みを語って頂きました。

是非夏の評価を教えていただきたいと思います。
鈴木さんの今後ますますのご活躍をご祈念いたします。

調光つうしん No.15

九州営業所 八女市 延花園様

九州営業所 八女市 延花園様

九州自動車道八女ICのバス停を降りてすぐ、目の前に「延花園」のハウス群が並んでいる。訪問したのは2017年8月21日。あいにくの雨天のため、この時期にしては比較的過ごしやすい気候の中、「調光」を展張したハウスを案内していただいた。
色とりどりのガーベラが、ところ狭しと綺麗な花を咲かせて筆者を歓迎してくれた。
生産者の延博之様は、30年前に近隣農家の勧めでガーベラ栽培を始められたパイオニアの一人である。

花卉(ガーベラ)長年当社のクリンテートフィルムをご愛用いただいているが、「調光」の使用は今回が初めてであったので、使用感をお聞きするためにお邪魔した。総じてご満足の様子で開口一番「調光は良いよ」とおっしゃっていただいた。

猛暑時に過剰の日射を受けるとガーベラは花弁が日焼けして売り物にならなくなる。そのため、この時期は遮光ネットでハウスを覆って栽培するのが栽培の基本であるが、日射不足になりがちである。茎が細くなりピンと立たなくなるのが悩みの種であったが、「調光」の散乱光効果に期待して今回は遮光ネットを付けずに栽培した。

その結果、十分な光を受けてうちのガーベラは茎が太くなりピンと立っていて、生花にしたときに見栄えが良いと、自慢げに語っておられた。生花に縁のない筆者も茎を触らせてもらったが、見た目以上に固く「シャン」としていて驚きであった。

長年のご経験から、遮光ネットはハウスの中から太陽が見えないのに、「調光」はハウスの中から太陽が見える。これが良いのかもしれないとも言われていた。

また、花だけでなく人間にとっても良い環境で、透明ハウスより涼しいことが体感でわかる。それに加えて外が強い日差しの日でも、散乱光の効果でハウスの中はジリジリ感がなく、しかも明るくて作業しやすいとも言われていた。
ただ、「調光」の真価はむしろこれからで、秋から冬にかけて気温が下がってきたときに自動的にフィルムが透明になるので、少ない光をしっかりと取り込むことができるのですよと伝えると「期待している」と笑っておられた。

安藤さん今回の取材の締めに、自慢のガーベラをバックに記念撮影をしました。右側は長年の友人であり当社の前工場長、安藤さんです。

九州営業所 福岡県柳川市 松藤様

九州営業所 福岡県柳川市 松藤様 JA柳川の管内では、米・麦・大豆を始め、ナス、レタス、トマト、イチゴ等が盛んに栽培されています。 今回、JA柳川のナス部会に所属されている松藤昭彦様にお話を伺いしました。
※お話を伺った皆様(中央:松藤様 右端:JA柳川経済センタ-大津係長、左から2人目:JA柳川経済センター吉開様)

摘芯作業を行う松藤様 摘芯作業を行う松藤様 JA柳川ナス部会は総勢64名の皆様が、品質の高いナスを栽培されています。
松藤様は1800坪の園芸施設でナス栽培に従事され、ナス部会青年部長としても活躍されています。
平成29年8月に導入された農PO「調光」について、導入のいきさつや、使用いただいた感想等をお聞きしました。


---「調光」の説明をうけて、どのように思いましたか
  • 外気温によってフィルムの色合いが変化することを聞いて、とにかく「びっくり」が 第一印象です。その後詳しい説明を聞いて「ぜひ張ってみたい」と思いました。

効果にびっくりしました(夏場) ---夏場の使い勝手はいかがでしたか?
  • これまでの一般透明品を用いていた時は、青枯れ病や根腐れのためにほぼ3番果まで収穫が出来なかったのですが、調光を展張してからは2番果から収穫できました。また早い時期から収穫が出来たことから、増収につながりました。

  • これまでは谷換気の温度センサーを45°Cに設定していましたが、調光を展張してからは一度も自動換気が作動したことはなく、ハウス内温度は最高40℃に保たれていました。

  • 作業環境については、これまでは真夏には午前10時頃までしか作業ができなかったのですが、お昼近くまで作業が可能になりました。また、遮光ネットを張る手間が無くなり空いた時間を栽培に使えるようになり助かっています。


「だいじょうぶだ!」と納得(冬場) ---冬場の感想はいかがですか?
  • 冬場の曇天続きの日々には透明性が気がかりでした。これまで展張したフィルムと比較するとやや白っぽく見えていたからです。でも生育状況、収量とも従来と同じか、もしくはそれ以上に良かったので安心しています。

優れた資材は仲間にも伝えていきたい ---今後の抱負をお聞かせ下さい。
  • 次回の張替もぜひ「調光」を展張したいと思います。

  • 高齢化問題等厳しい環境にあるのですが、ナス青年部長として部会の発展のために貢献したいです。

  • また新しい資材、優れた資材等は率先して体験・体感していきたいし、選れた資材は青年部の仲間に伝えていきたいです。

快く取材を受けて頂いた松藤様に紙面を借りましてお礼申し上げます。
また取材にご協力いただいたJA柳川、経済センターの皆様に感謝申し上げます。
末筆ながらJA柳川、JA柳川ナス部会の益々のご発展をお祈り申し上げます。

【注】松藤様のご紹介は、JA包装園芸資材協会様が発行している
「JA包装園芸資材通信N0.638号」(平成30年3月15日付)の
「がんばる農家」に掲載されている内容を一部編集して掲載しています。
ハウス内の栽培風景 ハウス内の栽培風景

調光つうしん No.5

九州営業所 JAさが白石地区育苗センター様

九州営業所 JAさが白石地区育苗センター様

JAさが白石地区育苗センターでは、白石地区管内の組合員様に水稲苗と秋冬野菜の苗を供給しています。現在、連棟ハウス16棟(展張面積約2ヘクタール)の全てに調光を展張いただいています。

水稲、野菜の育苗でご利用いただいていますハウス当センターの生産のサイクルは、超早期米コシヒカリから普通作水稲までの稲の栽培(2月~7月)と、その後の秋冬野菜の苗生産(7月~12月)に大別されます。

超早期米コシヒカリ(地元では「タナバタコシヒカリ」と呼んでいます)を2月上旬から4月上旬引取で生産。その後普通作の育苗を7月まで栽培。
その後秋冬野菜の苗供給にむけて7月から播種が施されます。

野菜苗の中心作物はキャベツ。その他たまねぎ、レタス、ブロッコリー、白菜が対象となります。

タマネギ育苗の様子タマネギ育苗の様子 当白石地区は佐賀県でも有数のタマネギ産地ですが、取材時(12月中旬)は、たまねぎの苗の供給の終盤時期であり、たまねぎの苗と水稲育苗の準備開始の時期でした。 年間の供給数量は、水稲は育苗箱で約32万枚、野菜苗はプラグポットで約5万枚、ポットたまねぎで約1万枚となります。(いずれも平成28年度実績) 平成29年12月にセンターをお尋ねし、片渕センター長、溝上係長にお話しを伺いました。

苗の生育、揃いが良かったです

水稲の育苗準備がこれから始まります水稲の育苗準備がこれから始まります 秋冬野菜の生産時期は高温時期に重なります。夏から秋へ移り変わる頃、遮光ネットを用いています。通年は9月末頃までネットをかけますが、今年の夏はネットの除去時期を早めることができました。 また、全般的に苗の生育の揃いがよかったかな、と思います。 この要因としては、(当社クリンテートEXとの比較で)発芽時点の高温障害が軽減できたためではないかな、と思っています。 今後のチェックポイントとして、9月末以降のレタス苗の栽培を、遮光なしで栽培できるか、見てみたいとのことでした。「レタスは夏場、遮光ネットの下では若干徒長ぎみで散乱光下で徒長を抑えられれば、高温障害防止と徒長防止を同時に解消できるのではないかと思っています」とのことでした。

是非またお訪ねして、結果をお聞かせいただきたいと思います。
JAさが白石地区育苗センターの今後ますますのご発展を祈念しています。

JAさが白石地区育苗センター JAさが白石地区育苗センター

調光つうしん No.4