5分間コラム①生分解性マルチは展張ゆるめ
サンテーラでは、生分解性マルチは通常のポリマルチよりも
"ゆるめ"に展張していただくことをおすすめしています。
圃場に展張後、何もしてないのに生分解性マルチが縮んでパツパツになり、
破れるケースがあるためです。
ポリや生分解など材質を問わず、マルチフィルムは"温度が上がると縮み"ます。
中でも生分解性マルチは縮みが大きいため、強く張り過ぎると、後から温度が上がった時の縮みに耐えられず破れてしまう可能性があるのです。
展張後の破断を防ぐために、生分解性マルチは少し"ゆるめ"の展張を心がけてください。
夏季は特に注意を
夏季など気温の高い時には特に注意が必要です。
太陽からの強い熱エネルギーで気温も高く、マルチの温度も上がりやすいので、"パツパツ"に縮みやすいのです。
展張速度を落とす、押さえを緩くするなど調整をして、"ゆるめ"に展張するのがおすすめです。
冬季は"収縮"より"硬さ"が問題
冬季のように気温の低い時でも、温度が上がれば縮むことはありますが、気温の高い時ほどマルチの温度は上がりづらいので、そこまで気にされなくてもいいでしょう。収縮とは別に、低温によりマルチが硬くなることがあります。マルチは硬くなると、小石に当たるなど力が加わった時に破けやすくなります。お取扱いの際に、"ちょっと優しく‥"と心がけていただくといいかもしれません。
どうしてマルチは温度が上がると"縮む"?
マルチフィルムは、プラスチック製品です。本来プラスチックは、"温度が上がると伸び(溶け)、温度が下がると縮む(固まる)"のがもともとの性質です。
プラスチックの分子が、温度に応じて決まった長さを保つ性質があるからです。
暑い時は長く、寒い時は短くなります。
バターやチョコレートののように、熱で溶けて、冷えて固まるようなイメージです。
ところが、前述したようにマルチフィルムは温度が上がると縮むのです。
これには、マルチの製造過程に秘密があります。
マルチの製造過程
まず、原料を150~200℃の高温で熱して溶かし、伸ばしてマルチフィルムの形を作っていきます。
その後、冷えて固めるのですが、マルチフィルムはとても薄いのであっという間に冷えます。
本来は冷えたら縮むところ、縮みきれずに動きを止められてしまいます。
あまりに急速に冷えるため伸びたまま固まり、マルチフィルムとして出来上がるのです。
このマルチフィルムが圃場で太陽に照らされ、フィルムの温度が上がると、動きを止められていた状態からジワジワと動き出します。
縮み切れずに動きを止められていたので、マルチは縮んでいきます。
こうして、フィルムが縮んでパツパツになる、ということが起こります。
一度、本来の長さに縮み切ったマルチは、温度が上がると伸び、温度が下がると縮む、もともとの性質に戻ります。
ちょっと面倒だな~と思われるかもしれませんが、そんな面倒くさがり屋さんにこそオススメしたいのが生分解性マルチです。
マルチの回収が要らないので、栽培の後片づけ作業は断然楽になります。
片付けの時間はすき込み時間だけになるので、次の栽培までの時短にもつながります。
生分解性マルチ「きえ太郎Z」は時短でらくらく便利!
生分解性マルチきえ太郎Z 2021/04/01作成