た行

耐候性農POは、通常のプラスチック製品と異なり、年単位で雨風や太陽にさらされた(屋外暴露)状態で使用されることから、何も工夫がないと、僅かの期間で劣化してボロボロに破れてしまいます。
そのため、フィルムには大きく2種類の劣化防止の工夫がなされています。

(1)紫外線吸収剤フィルムに少量の紫外線吸収剤を添加して太陽光に含まれる紫外線がプラスチックの分子を切断し、劣化することを防止します。
また、意図的に紫外線吸収を増やし、完全に透過を遮断した銘柄もあり(UVカット銘柄)ますが、目的が異なりますので別項で説明いたします。

(2)耐酸安定剤施設園芸の中で使用される薬剤の中で酸性成分の物質がフィルムに付着すると、プラスチックの分子を切断し、劣化が早まります。それを防止するための薬剤が添加されています。
多くは、ヒンダードアミン系安定剤(HALS)が用いられています。
これらHALSは原料単価が高価なため、銘柄ごとに種類や添加量を変えて特徴付けや競合品との差別化に使用されることがあります。
また、一部の保温剤はHALSほどではないものの、耐酸効果が得られます。

は行

防霧剤練込タイプ特有の現象でハウス内に霧が蔓延することがあります。
気象条件によって(急激な温度低下など)、ハウス内に一時的に霧が発生することがありますが、これがいつまでも解消せずに続くことがあります(塗布タイプのハウスでは一時的に発生してもすぐに解消します)。そうなると、太陽光が作物に届きにくくなり、生育に支障が出やすくなってしまいます。

霧発生が継続するメカニズムについては諸説ありますが、流滴剤が結露水中に溶け出し、好ましくない分子構造(ミセル構造)に変化することが、主原因と考えています。その構造を壊す、もしくはできにくくする働きをするのが防霧剤です。

保温性ハウス内の温度は、昼間は太陽からの熱線(近赤外線)をハウス内に取り込むことで温められますが、夜間は熱の供給が止まってしまいます。昼間に土やハウス内の固形物に蓄えた熱(遠赤外線)をハウスの外に逃げにくくする機能(保温性)です。

農POは、主原料であるポリエチレン樹脂が殆ど遠赤外線の吸収能力がないため、保温性に特化した成分(保温剤)をフィルム中に練り込むことで、その機能を出しています。

保温性の指標は遠赤外線の吸収能力を測定しますが統一規格はなく、各社まちまちの計算法で行われています。
農POの出始め(30年前)は、農ビと比較して保温性が低く、冬季の重油消費量が多いと苦情を受けましたが、近年の農POは改善され銘柄、メーカーによって、大小はあるものの、農ビ同等以上の保温性を備えています。

や行

UVカット意図的に紫外線の透過をカットしたフィルムです。
長所短所をご理解頂いたうえで、使用されることをお勧めします。
300nm~400nm付近の紫外線の透過をカットしたフィルムです。
狙いは、紫外線環境下で活動する害生物の活動を抑制することで、以下の長所短所が知られています。

長所 アブラムシ、スリップス、コナジラミなどの活動を抑制、忌避する効果があると言われています。また、灰色カビ病、菌核病の胞子形成を阻害すると言われています。
ハウス内作業者の日焼けを防止します。
短所 紫外線を必要とする作物、交配昆虫に悪影響を与えます。
例)アントシアニン系色素(茄子の紫発色、紫色の花弁着色など)の形成不良。ハチ交配作物に対し、蜂が飛翔しなくなる。
UVカットの機能を有する製品は
塗布型⇒クリンテートEXUVクリンテートFXUVクリンテートCEUV
練込型⇒クリンテートGMクリンテートFFUV

ら行

流滴性農業ハウスの内側は外側より高温多湿になります。特に冬季のハウスを密閉した状態ではその傾向が大きく、内外の温度差の境界になるフィルムの内側で結露が発生します。
フィルムを構成するプラスチック材料は水をはじく性質があるので、このままでは、結露水が球状に密集して光線透過を阻害したり、水滴が成長しやがて落下(ボタ落ち)したりして作物に当たり、生育の障害の原因となります。

それを防止するために、ハウス内側のフィルム面には水をはじかない(流滴性、無滴性)特別な仕組みが施されています。
その仕組みは大別して次の2通りに分かれています。

(1)練込タイプ水となじみのある成分(親水性)をフィルム内に練り込んでいて、その成分がフィルムの表面に露出することで水滴を作らず、フィルム面に沿って水が流れます。この成分のことを流滴剤、無滴剤、界面活性剤と呼ぶことがあります。

(2)塗布タイプ親水成分を直接フィルム表面に塗工したタイプです。塗工する成分は光の波長より遥かに小さい粒子ですので、光の透過を妨げることはありません。

いずれのタイプも、ハウス内側面に流滴の工夫が施されています。ハウスの外側からフィルムの印字が正しく読めるように展張してください。

それぞれの長所と短所

  練込タイプ 塗布タイプ
長所 歴史のあるタイプで、比較的安価です。
絞り加工が可能です。
親水成分は消費されることがないので何年も効果が継続します。
流滴中のフィルム外観が綺麗です。
防霧剤が不要です。
短所 流滴剤が消費され、フィルムの表面に出なくなると機能が失われます。
流滴剤のフィルム表面への露出は、温度環境の影響を受けます。
流滴剤の化学変化で、気象によってはハウス内に霧が発生することがあります。
流滴剤とは別に、霧発生を防止する防霧剤が合わせて配合されています。
防霧剤については別項で解説いたします。
練込タイプと比較すると、低湿度の環境で流滴開始が遅れる傾向があります。
折れ、擦れに弱く、絞り加工などには向いていません。
比較的高価です。
このタイプの機能を有する製品は
塗布タイプ⇒調光、調光ライトクリンアルファ21クリンアルファ-SクリンテートEXクリンテートFXクリンテートCE
練込タイプ⇒クリンテートDXクリンテートFFクリンテートSNクリンテートSKクリンアルファHクリンアルファN

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