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防霧剤練込タイプ特有の現象でハウス内に霧が蔓延することがあります。
気象条件によって(急激な温度低下など)、ハウス内に一時的に霧が発生することがありますが、これがいつまでも解消せずに続くことがあります(塗布タイプのハウスでは一時的に発生してもすぐに解消します)。そうなると、太陽光が作物に届きにくくなり、生育に支障が出やすくなってしまいます。

霧発生が継続するメカニズムについては諸説ありますが、流滴剤が結露水中に溶け出し、好ましくない分子構造(ミセル構造)に変化することが、主原因と考えています。その構造を壊す、もしくはできにくくする働きをするのが防霧剤です。

保温性ハウス内の温度は、昼間は太陽からの熱線(近赤外線)をハウス内に取り込むことで温められますが、夜間は熱の供給が止まってしまいます。昼間に土やハウス内の固形物に蓄えた熱(遠赤外線)をハウスの外に逃げにくくする機能(保温性)です。

農POは、主原料であるポリエチレン樹脂が殆ど遠赤外線の吸収能力がないため、保温性に特化した成分(保温剤)をフィルム中に練り込むことで、その機能を出しています。

保温性の指標は遠赤外線の吸収能力を測定しますが統一規格はなく、各社まちまちの計算法で行われています。
農POの出始め(30年前)は、農ビと比較して保温性が低く、冬季の重油消費量が多いと苦情を受けましたが、近年の農POは改善され銘柄、メーカーによって、大小はあるものの、農ビ同等以上の保温性を備えています。