NO.10春季号 2002年3月1日発行

農POと作物づくり-トマト栽培におけるポリオレフィンフィルムの利用について-全農営農総合対策部 生産資材研究室
技術主管 林 英明

1.八代地方のトマト栽培日本における丸トマトの栽培面積(加エトマトは除く)は平成12年で11,291haです。その中で熊本県のシェアは8%(871ha)で全国2位となっています。また熊本県のミニトマト栽培面積は179ha(13%)で全国一の栽培面積となっています。

(表1) 平成12年トマトの栽培面積(表1) 平成12年トマトの栽培面積 八代地方のトマト栽培は県内でももっとも多く栽培が行われ、約411haが主に抑制作型で栽培されています。

立派な実をつけたハウス桃太郎立派な実をつけたハウス桃太郎 八代地方のトマト品種構成はハウス桃太郎8%以上でしたが、平成13年からはハウス桃太郎(48%)、桃太郎J(28%)、桃太郎ファイト(11%)、マイロック(9%)となり、品種の多様化が進み始めました。 現在のトマトは経済不況と輸入野菜の増加などから価格低迷しており、食味はハウス桃太郎並に加えて、L玉率が高く、果形が安定することや最近は長期栽培が増えており、3月、4月の気温が上昇する季節に軟化が発生しにくいことなどの特性を持つことが必要です。 ミニトマトはチカがほとんどです。

2.トマト栽培におけるポリオレフィンフィルムの利用八代地方のトマトは最近の価格低迷などから一層の生産経費の低コストが求められています。平成11年の台風被害に伴って、耐侯性ハウスの導入が進みましたが、そのなかでエフクリーン等の硬質フィルムの耐侯性ハウスでは10a当たりの建設費は1,000万円を超えます。

しかし、PO系フィルムでは、ハウスフレームが強い強度を持っていれば、十分風速40m以上の強風でも耐えられますので、10a当たり500万円程度の低価格で耐候性ハウスが導入できます。しかもフッ素系フィルムは焼却すると有毒ガスが発生し、危険なので、使用後は必ず全量業者が回収する事になっており、かなりの回収経費を生産者が支払うことになります。このように償却費等を考えれば、トマトの低価格化の中でPO系フィルム対応の低コスト・耐侯性ハウスが有利になっています。

ハウスでのトマト栽培ハウスでのトマト栽培 PO系フィルムは0.1mm厚では数年の使用が可能で、塩化ビニルより比重が軽いためフィルム張りが楽であり、廃棄ビニル回収費もPO系フィルムは塩化ビニルより安くなります。 PO系フィルムは焼却しても有毒ガスがでないフィルムとして当初、期待されましたが、平成10年ころよりダイオキシンの問題から焼却処理ができなくなり、PO系フィルムの回収システムが必要となっています。 PO系フィルムを使用した生産者の話では巻き取って水を含んでいると夏場にフィルムが溶けてフィルム同士がくっつくので注意が必要だとの意見もでています。

図1 中国・日本のビニルハウス面積の推移図1 中国・日本のビニルハウス面積の推移 塩化ビニルは塩素を含むため燃やすとダイオキシンや塩素系ガスが発生し、廃棄塩化ビニルの最終的な処理コストを考慮すると、PO系フィルムは液化すると燃料としても使用できるなど環境負荷や廃棄処理コストの面でも有利であり、中国の園芸農家は賢明な判断をしていると思います。

がんばる!クリンテート家族
「さがほのか」栽培で佐賀イチゴ振興をリード佐賀県鎮西町(JA上場)
いちご部会

JA上場は、備前、玄海、鎮西、呼子の4町にまたがる広域合併JAであり苺部会も130戸の大所帯で構成員が広範囲に分布している。
位置的には、佐賀県の北西部、唐津市より西北約16㎞の玄界灘沿いにあり標高100~200mの台地が、波状的に起伏し玄武岩質で土壌は覆われている。
出口部会長ハウス内のいちご「さがほのか」出口部会長ハウス内のいちご「さがほのか」私は、昭和50年にハウスイチゴが導入され、昭和57年に6名の栽培者で部会を発足させた。当部会は、県単独補助事業(上場営農確立対策事業)導入を契機に、部会員が増加し規模も拡大し、現在の130戸337,100㎡に至っている。
私は、当部会は、佐賀県のイチゴ生産において、作付面積の11%、出荷販売高の12%を占めている。とくに、新品種「さがほのか」への品種更新では県下の先人を切り、13年度産では98%に達し佐賀イチゴの衣替えにリーダーシップを発揮している。
私は、販売においても、市場の評価が高く札幌市の大手スーパーには、上場産イチゴの特設コーナーが設けられるほどであり消費者からも評価を得ている。

一昨年に農POのクリンテートDXを試験展張し、結果が良好だった為に今年度より導入に踏み切った。まだ多くは普及していないが、使用している生産者からは「軽いし作業性が良い」との声があがっている。今後普及していくだろう。
JA上場いちご部会の出□部会長を訪ね、こ多忙中にもかかわらず、お話をきかせていただきました。出口部会長自らクリンテートDXを使用されており、評価もまずまずでした。出口部会長は、佐賀県のイチゴ部会長を兼務し、活躍されています。

がんばる!クリンテート家族
クリンテートマーキュリーで良品質のスプレー菊生産群馬県吾妻町(JAあがつま)
中井 毅彦 さん

中井さんのパイプハウス中井さんのパイプハウス私は、スプレー菊を20年以上作っています。夏の暑い時期を中心に8ヶ月間の出荷期間となります。
私は、当地は、標高570メートルの中山間地で、冬は、最低マイナス12度から15度まで下がり比較的高温を好む菊には、酷な気象条件と言えます。
私は、真冬は日照時間はわりと長いのですが、どうしても光線が弱く菊のボリュームがのらず苦労していました。

見事なスプレー菊と中井さんご夫妻見事なスプレー菊と中井さんご夫妻私は、農ビの場合は、2年目の冬には、汚れがひどく年末出荷するためには、毎年張り替えを行っていました。
私は、そんな中、クリンテートUF-Oを知り、使ってみると2年目でもハウスの汚れが少なく、しかも農ビのように大きく裂けてしまうことも無いのに驚きました。
私は、今回、ハウスの増設の折、クリンテートマーキュリーを薦められ使用しました。汚れも少なく、流滴性も良好です。

昨年の10月に当吾妻町を会場のひとつとして開催されたスプレー菊全国大会において、たまたま2年目のクリンテートマーキュリーハウスで大会の展示圃として作付けましたが、無事、役目を果たすことが出来、喜んでいます。
夏の台風、冬の雪と心配は尽きませんが、これからも、良品質のスプレー菊生産を続けていきたいと思っています。

中井さんからは、eメールで原稿をいただきましたが、仲間との情報交換はパソコンで行うなど、先進的な花づくり農家で、坂上花卉研究会会長として大いに活躍されています。

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