NO.23夏季号 2005年6月1日発行

アスパラガス栽培における紫外線除去フィルムの効果長崎県総合農林試験場 作物園芸部 野菜科
研究員 井上 勝広

1.はじめに

アザミウマによる茎部の吸汁根アザミウマによる茎部の吸汁根アスパラガス半促成長期どり栽培の重要害虫のひとつにアザミウマ類(ネギアザミウマが主)があります。また最近では牛ふん堆肥の多投入に伴うキノコバエ類幼虫の被害もみられます。 現在は化学農薬による防除が中心ですが、登録農薬は少なく、輪番使用に苦慮しているのが現状です。また近年は環境保全型農業や減農薬栽培技術の要望も高くなっています。そこでアザミウマ類とキノコバエ類による被害防止対策として、紫外線除去フィルム(以下「UVC」)を用い、その効果と併せ、市販製品の性能と持続効果を検討しました。さらにUVCを利用した場合、収量、品質、ハウス内空間への影響はこれまで明らかにされていないため、あわせて検討しました。

紫外線除去フィルムの影響

アザミウマによる穂先の吸汁害アザミウマによる穂先の吸汁害1)アスパラガス半促成長期どり栽培において、UVCを被覆することにより、春芽収穫期から立茎初期にかけてハウス内におけるアザミウマ類とキノコバエ類の捕殺数は減少し、侵入抑制効果があります(表1)。


害虫に対するUVCの抑制効果表1 害虫に対するUVCの抑制効果
注)抑制効果は憤行に対する割合。ともにPO。UVCは2002年5月1日に展張。
1年目の調査期間は2003年3月14日~4月22日。
2年目の調査期間は2004年4月1日~4月21日。
高さ20cmの青色粘着シートを設置し、捕殺。

アザミウマにより擬葉が白け、ポロポロに落ちるアザミウマにより擬葉が白け、ポロポロに落ちる 2)2004年5~6月に立茎以降のネギアザミウマ成虫密度の推移を成茎払い落とし法により調査したところ、UVC被覆下では、慣行フィルム被覆下に比べて立茎開始後のネギアザミウマの急増期が2週問程度遅れます。 3)UVCを被覆すると、ハウス内の紫外線量は晴れでも曇りでもハウス外と比べて11%と大幅に減少します。 4)UVCを被覆してもハウス内温度や照度に変化はなく、若茎の収量、規格、緑色度、糖度にも変化はありません(表2)。

UVCと慣行フィルムの収量と規格表2 UVCと慣行フィルムの収量と規格
注)品種「ウェルカム」、黒ボク土、1997年10月14日定植、6年生株

キノコバエ成虫キノコバエ成虫 5)UVCが土壌に及ぼす影響を調査した結果、黒ボク土、安山岩質細粒黄色土、玄武岩質細粒赤色土のすべての土壌において、UVC被覆1年目、2年目ともに作土の硝酸化成菌が増加し、硝酸濃度と電気伝導度の上昇が認められました。(続きは、9月1日号に掲載します)

がんばる!クリンテート家族
部会員の創意工夫で高品質・美味しいミディトマトづくりを実現熊本県大浜町(JA大浜)
JAミディトマト部会

祝 全農主催第31回全国施設園芸共進会
全農会長賞
おめでとうございます

クリンテートハウス内での伊方さんクリンテートハウス内での伊方さんJA大浜は熊本県の北西部に位置し、地形的には有明海に面し阿蘇外輪山を水源とする菊池川が南北に貫流し、年平均気温は16℃前後の比較的温暖な地域にあり、平坦な水田地帯では水稲を基幹作物としていますが、トマト、メロン、イチゴ等の施設園芸が盛んな地区です。
JA大浜ミディトマト部会は平成14年に部会が設立され、22戸6haで栽培されています。ミディトマトは大きさがゴルフボール位でフルーツ感覚で食べられるおいしいトマトです。

昨年、第31回全国施設園芸共進会で優秀な成績を修められ、全戸が熊本県知事認定のエコファーマーの認定者であり、ハウスでの防虫ネット、防虫テープの利用、薬剤散布回数を減らすなど、減農薬栽培に取り組まれています。栽培管理の記録を徹底され「安心・安全に加えトマトの味と品質の向上に努める」を合言葉に取り組まれています。
クリンテートを展張されている部会員の伊方静男さんにお話を伺いました。
現在、奥さんと従業員3名でミディトマト、メロンのハウス栽培(80a)と米(1.5ha)を経営されています。
ミディトマト栽培のきっかけは、市場評価が高かった為、3年前から取り組まれたとの事でした。平成14年には補助事業でハウスを建てられ周囲の薦めもあり、クリンテートMCを導入、昨年の台風にもクリンテート展張ハウスはビクともせず、大変高評価を頂いています。今年の張替には、MCより強いクリンテートEX0.15を展張いただくことになっていますが、要望として、もう少し価格が安ければなぁとの事でした。
最後に取材後、お土産にミディトマトをいただきありがとうございました。食感がトマトと言うより果物みたいで大変美味しかったです。
是非、皆さんもお店で見かけたら、ご賞味ください。(熊本県営業担当 松崎記)

がんばる!クリンテート家族
クリンテートデラックスで 良品質メロンと大玉トマト生産茨城県旭村(JA茨城旭村)
内山 賢治さん

内山さんご夫妻内山さんご夫妻私は、旭村で春はメロン、夏から秋にかけて大玉トマトを栽培しています。家族は、妻、父と母、子供が3人です。
パイプハウスの規模は、100アール(間口5.4m70a、間口3.3m30a)で、春メロンを100アール栽培し、夏秋トマトを40アール栽培しています。
被覆資材は、最初は、ビニールを使用していましたが、春一番や台風などの強風で被害がひどく、それならばとPOフィルムに変えました。

クリンテートに変えたのは7年前で、バンドレスタイプの3間ハウス(間口5.4m)にする時に、いろいろな方の意見を参考にクリンテートデラックスを導入しました。
実際にさわった感触も硬すぎず、柔らかすぎず、程よい硬さがあり満足しています。
こちらでは、ハウスに被覆する時期が12月から1月と、特に寒い時期にあたり、さらに早朝風のない時間帯に作業することが多く、この時期の手触り感というのが、作業性に大きく作用すると思います。
メロン栽培は無加温栽培で高品質生産をめざしています。
また、フィルムは、使用方法を変えて、4年は使っています。屋根部分は毎年張り替え、ハウス内の中央通路の左右のベッドの二重被覆で2年使用し、最後にマルチとして4年目を使います。
マルチには、グリーンマルチを使用していましたが、3年使ってそれなりに汚れているものを使用してみたところ、太陽光が弱い時期で、地温上昇に不安を感じながらでしたが、地温は難なく上昇してくれました。0.1mm厚のクリンテートは、マルチより保温の力があるのは当然のことかなと思いました。
ビニールより軽量で丈夫、さらに長期にわたり柔らかさを持続しますので、自分の経営には欠かすことが出来ない存在となっています。
三善加工さんには、今後ともクリンテートの品質改良に一層の努力をお願いします。

がんばる!クリンテート家族
親子でがんばるイチゴづくり クリンテートDXで良質なイチゴを栽培栃木県小山市(JAおやま いちご部会 絹支部監事)
遠井 慎一 さん

イチゴ育苗ハウス内での遠井さん(左)とジェイエイ栃木グリーン淺川課長イチゴ育苗ハウス内
遠井さん(左)とJA栃木グリーン淺川課長
皆さんこんにちは、遠井と申します。JAおやま絹支部管内(部会員数127名)でイチゴをつくり9年目になります。イチゴの代表的ブランドである「とちおとめ」を栽培し、家内と息子、それに強力な助っ人のパートさん7名の計10名で、収穫期もシーズン終盤に入り、あとひと頑張りといったところです。
ハウス面積は110aで、32棟を所有しその内の約3/4が間口5.8mの単棟ハウスです。イチゴをつくり始めた頃は農ビを使用していましたが、農協さんやジェイエイ栃木グリーンさんの勧めもあり栽培3年目から農POのクリンテートDXを使い始め、現在は外張り、内張りの全てのフィルムにDXを使用し、外張りは毎年張り替え、二重カーテンは2年おきに張替えています。

農ビより優れている点は、まず第一に作業性が非常に良いということです。とにかくハウスの棟数が多いものですからクリンテートに替えて軽くなり、ビニペットのスプリング止めによりハウスバンドを使わなくなったため展張が楽になりました。現在ではパートさんの力も借りながら、全てのハウスを3日程で張ることが可能になりました。
二つ目は、展張場所が幹線道路に面している為、農ビでは砂埃などで春先になるとフィルムが汚れていたのに比べ、DXは埃が付きにくく作物が太陽の光線をたっぷり受けることでシーズンの終わりまで良質のイチゴを収穫できることにも魅力を感じております。
今後も益々良いフィルムを研究、開発し、私たち生産者に提供していただくよう期待しております。
取材に伺った際、昨年4月に大学を卒業し家業のイチゴづくりを始めて1年になる息子さん(尚徳さん、24歳)がお父さんの指導のもと勉強中でした。「この4月でようやく1年が経ち、イチゴづくりの流れが分かりました。来シーズンは更に深く勉強し、早く一人前に成長したいと思います。」と力強いお言葉をいただきました。(栃木県営業担当 鈴木)

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